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CASE STUDIES

株式会社DGフィナンシャルテクノロジー

3DS必須化で見えてきたECの新課題 ~決済承認率低下と「実顧客化」で実現する売上最大化

ASUKA

アクル × DGフィナンシャルテクノロジー 対談

EC収益最大化・不正検知サービス「ASUKA」を提供するアクルは、決済代行会社DGフィナンシャルテクノロジー(以下、DGFT)と提携し、同社の決済サービスを利用するカード加盟店に「ASUKA」をはじめ、本人認証サービス「ASUKA-3DS」の提供などを推進しています。

2025年に完全施行された3Dセキュア(以下、3DS)の必須化は、EC業界の不正対策を大きく前進させた一方で、決済承認率の低下という課題が顕在化しました。

アクル代表取締役社長の近藤修と、DGFT 営業本部 クライアントサクセス部 マネージャーの清水智博氏が、必須化後にEC事業者が直面している現実と、その打ち手について率直に語り合いました。

3DS必須化後に増えた相談

── 必須化以降、加盟店からの声に変化はありましたか?

DGFT清水

クレジットカードの承認率低下により、正規のお客様の決済が通らないケースが増えていると感じています。特に社交業種や旅行、チケット販売などでは、承認率が5割を下回る事業者も見られます。

また、セキュリティガイドラインのEMV3DS運用パターン②で会員登録時に3DS認証を実施していても、定期購入の継続課金時に不正が判明してチャージバックになる事例も出ています。必須化でセキュリティ意識は高まりましたが、3DS導入だけでは不正対策、利便性の確保ともに十分ではないことが見えてきました。

アクル近藤

当社でも同じです。「ASUKA」はEC企業を中心に300社・4万5,000サイト以上で導入されていますが、不正の多い業種ほど「承認率が下がった」「決済で離脱する顧客が増えた」という相談が増えています。

必須化そのものの効果は認めつつも、それによって生まれた承認率低下の問題が、今や多くのEC事業者にとって新たな経営課題になっています。

なぜ承認率は下がるのか─イシュアの「ブラックボックス」問題

── 承認率が低下する構造的な背景を教えてください。

DGFT清水

最終的な与信判断はカード発行会社(イシュア)が行います。3DSを通過しても不正が発生した場合、被害額はイシュアが負担することになります。そのためイシュアは不正リスクの高い取引に対して審査を厳しくする傾向があり、それが承認率の低下につながっています。

さらに厄介なのが、承認の判断ロジックがセキュリティ上ブラックボックスであることです。なぜ通らないのかわからないまま、売上だけが落ちていくという状況に陥りやすいのです。

アクル近藤

おっしゃる通りで、3DS必須化によって不正被害の負担がイシュア側に移行した結果、不正リスクが高いと判断される加盟店ほどイシュアも決済承認を慎重にならざるを得ません。

カード決済が通らなければ、正規のお客様は他のECサイトへ離脱してしまいます。不正対策を強化したのに売上機会が失われていく、という本末転倒な状況が実際に起きています。

承認率を「見える化」し、イシュアとの交渉へ

── EC事業者はこの状況にどう対処すればよいでしょうか。

DGFT清水

加盟店から承認率改善の相談を受けた際にイシュアへ申し入れを行うこともありますが、前提として加盟店側が不正ログイン対策や不正購入対策を適切に実施していることが求められます。セキュリティ対策においてきちんと説明ができ、さらに実効性があるかどうかの材料が必要です。

当社では「ASUKA」をはじめとした不正検知ツールを業種・業態に応じてご提案し、実効性のあるセキュリティ対策を加盟店に届けています。

アクル近藤

まず自社の決済承認率を正確に把握することが出発点になります。当社では2025年秋から「ASUKA」のDashboardで決済承認率を可視化できる機能を提供しており、すでに20〜30社の加盟店が活用しています。

承認率の推移データが手元にあれば、イシュアへの改善交渉の材料になります。実際に、データをもとに交渉を行い承認率が改善したケースも出てきています。また、3DS適用範囲を最適化する運用パターン①・②の実現や、不正ログイン対策ツール「ASUKA Account Protection」の活用も、承認率の改善に貢献しています。

アクルが提唱する「実顧客化」── 決済完了が本当のゴール

── 承認率以外にも、EC売上に影響する決済上の課題はありますか?

アクル近藤

あります。3DS認証そのものがユーザーの離脱を招いているケースです。従来のマーケティングは、リード獲得からナーチャリングを経て「顧客化」に至るファネルモデルで語られます。しかしECでは、購入意思を持ったユーザーが決済画面で離脱してしまう。購入ボタンを押しても、決済が完了しなければ売上にはなりません。

そこで当社では、購入ボタン押下を「顧客化」、決済完了を「実顧客化」と定義しています。EC売上を最大化するためには、決済段階での離脱を防ぎ、「実顧客化」まで導く体験設計が不可欠です。

「ASUKA-3DS」では、本人認証をモーダルUI内で完結させることで購入フローの分断を防いでいます。さらに、3DSで承認されなかった決済データを自動修正する「CV最適化サービス」も提供し、決済成功率の向上を支援しています。

安全なEC環境の実現に向けて─両社の連携はつづく

── 今後に向けて、それぞれどのような取り組みを考えていますか?

DGFT清水

「ASUKA」は導入工数が少なく、短期間で不正対策を実施したいEC加盟店にとって親和性の高いサービスです。今後も現状把握から具体的な対策の実施まで両社で連携し、加盟店が抱える課題の解決につなげていきたいと思っています。

アクル近藤

不正対策と売上最大化は、決して相反するものではありません。適切な不正対策が承認率を改善し、それがEC事業者の売上向上に直結する好循環を多くの加盟店に実感していただけるよう、DGFTとの連携をさらに深めていきます。


3DS必須化はEC業界の不正対策を大きく前進させた一方で、決済承認率の低下という新たな課題も浮き彫りにしました。その解決策は、不正対策の強化と承認率の見える化を連動させ、決済完了までを見据えた「実顧客化」の設計にあります。

アクルとDGFTは引き続き連携し、EC事業者の安全確保と売上最大化の両立を推進していきます。

※本記事は、日本ネット経済新聞に掲載された対談取材をもとに、アクルが自社HPへの掲載にあたり再編集したものです。

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