──アウトドアの枠を超え、ライフスタイルブランドへ
「アウトドアで家族・仲間・自然が触れ合うことで生まれる心の繋がりを大切にする」
コールマンはそのビジョンのもと、キャンプ用品にとどまらず、バックパックやレジャー用品など、あらゆる場面で人々の生活を豊かにする製品を展開している。
近年ではセレクトショップとのコラボレーションや、パートナーシップによるスポーツ領域への展開など、アウトドアとライフスタイルの垣根を越えた取り組みを積極的に推進。新規ユーザー層の獲得を力強く進めている。
メインターゲットはファミリー層。公式ECサイトは「全商品を網羅的に確認できる唯一の場所」として、顧客が商品を比較・検討する際の重要な情報拠点となっている。
──公式ECサイトが担う役割
コールマンの直営店舗は多くなく、流通の中心は卸売となっている。店舗ですべての商品ラインナップを取り揃える難しさがあり、全商品ラインナップを一覧できる公式ECサイトの存在意義は大きい。
「直営店が多くない分、公式サイトで全商品を見ることができます。お客様が安心感を求めて情報収集にいらっしゃるケースが非常に多く、会社としても重要視しているチャネルです。」
テントやタープといった大型製品は数十万円規模の高価格帯に及ぶものもあり、購入に至るまでに動画・レビュー・UGCなど多様な情報を通じて理解を深めてもらうことが不可欠だ。こうした商材特性から、ECサイトはいわゆるショールーミング的な利用が多く、コンバージョンレートはもともと高くなりにくい構造にある。デイリーでモニタリングしながら運営しているという。
──課題の本質は「購入を決めたお客様」の取りこぼし
EC担当者が問題意識を持っていたのは、「購入を決めたにもかかわらず、決済の最終ステップで離脱してしまうお客様の存在」だった。
ASUKAはすでに不正対策として導入済みだったが、その運用の中でひとつの課題が浮かび上がっていた。高齢のお客様を中心に、カード情報の入力ミスが原因で決済処理エラーとなってしまうケースが一定数発生していたのだ。特に、入力ミスと不正リスクの見極めが難しく、購入意欲が十分あるお客様が最後の一歩で止まってしまう状況が続いていた。
「購入まであと一歩のところまで来てくれているのに、最後の決済でうまくいかないのはもったいない。入力を間違えてしまっただけなのに、それが原因で決済できなくなってしまうお客様を、何とかサポートできないかと思っていました。」
──決済処理での離脱を最小化するサービスの導入
こうした背景のもと、アクルから提案を受けたのが、決済処理での離脱を最小化するサービスだった。
導入にあたって特筆すべきは、その手軽さだ。コールマンでは不正対策としてすでにASUKAを導入・運用していた。ASUKAとの連携サービスであるため、新たなシステム開発や複雑な実装作業は一切不要。既存の環境をそのまま活かしながら、すぐに利用を開始することができた。通常、新しいツールの導入には開発リソースの確保、ベンダーとの調整、テスト工数など、相応の時間とコストがかかるものだ。しかしこのサービスは、ASUKAの基盤の上にシームレスに乗ることができるため、担当者が本来注力すべきEC施策の検討や運用にリソースを集中できるという点でも、大きなメリットがあった。
「EFOに関わる経験もあったので、ツール自体の考え方もすぐに理解できました。導入のハードルはほとんど感じませんでした。」
──導入後の変化:決済処理エラーの減少と問い合わせの消失
導入後、変化はデータにはっきりと現れた。
「決済処理エラーの比率・件数がともに月次で減少しています。その中でも、入力誤りに起因する決済処理エラーが減ったことが大きいと感じています。正規のお客様が、入力ミスによって決済できなくなる状況を未然にサポートできているんだと思います。」
さらに印象的だったのは、「決済ができない」というお客様からの問い合わせがほぼゼロになったことだという。
「以前は決済処理エラーになってしまって購入できないというお問い合わせがありました。今はそれがほぼなくなっています。夜間でも自己解決できるよう、エラーコードに対応したFAQやチャットボットも整備しているんですが、そもそも問い合わせが来ない、というのが一番の変化です。」

──新規ユーザーが急増する局面だからこそ、決済体験の品質が問われる
コールマンは今、事業拡大の重要な局面にある。JFAとのパートナーシップによるサッカー領域への展開、インフルエンサーを通じたSNS施策でのバズ、そして限定コラボアイテムの発売など、新規ユーザーが急増する機会が増えてきている。
「新しいコラボや体験イベントをきっかけに、今まで弊社のECを使ったことがない方が一気にいらっしゃることがあります。そういったお客様にとって、スムーズに購入できるかどうかは、ブランドの第一印象に直結します。」
EC担当者は、競合との比較も率直に口にする。
「お客様からは、大手ECモールとの比較で、決済のしやすさについてご意見をいただくことがあります。クレジットカードと代引きをせめてスムーズに使えるように、というのが今の目標です。」
購入まで来てくれた、熱量の高いお客様を最後の一歩でとり逃がさない──その想いを実現するために、入力補助による決済体験の改善は、確かな効果をもたらしている。
──今後に向けて
EC担当者は、決済体験の改善をEC全体の収益最大化の重要な柱として位置づけている。
「問い合わせを受け付けることができない夜間に購入しようとして失敗してしまうと、翌朝には熱が冷めてしまうお客様もいらっしゃいます。せっかく購買意欲が高まっているタイミングを、決済の障壁で失いたくない。決済体験のクオリティを高めていくことは、これからも継続的に取り組んでいきたいテーマです。」
新規ユーザーの獲得と、既存ファンへの継続的な価値提供を両立しながら、コールマンのEC事業はさらなる成長を目指す。アクルは引き続き、その歩みをサポートしてゆきたい。