1920年創業、包装資材や店舗用品、文具事務用品などを幅広く取り扱う卸売業の老舗、株式会社シモジマ。メーカー機能から物流、店舗運営までを自社グループで有し、業界トップクラスの商品ラインナップで全国の事業者を支え続けている。
近年は、軽減税率の導入やコロナ禍を背景としたテイクアウト・デリバリー需要の高まりを受けて食品包装関連の商材に力を入れているほか、バイオマス配合資材や紙・木材・竹・サトウキビといった石油由来に頼らない環境配慮型商品の企画・販売にも注力。時代の変化と社会課題に応じて、主力商材を進化させ続けている。
2021年11月に発表された中期経営計画では、同社の新たな成長戦略として「オムニチャネル戦略」を掲げ、EC・店舗・外商営業の3チャネルを軸とした事業拡大を推進。地域のパッケージメーカーや問屋とも連携し、全国、さらには海外への販路拡大にも取り組んでいる。

――EC事業を起点にした顧客拡大戦略と、「100万会員・100万SKU」への歩み
シモジマ社がオムニチャネル構想の検討を開始したのは2016年。2018年6月にECシステムやアプリを含むシステム群を刷新して本格始動し、その後「商売繁盛がっつり支援」というコンセプトのもと、エリアごとに3チャネルで顧客を支援する体制を構築してきた。
中でもECは、Web上で新規顧客を獲得する入口として重要な位置づけを担い、獲得した顧客をCRMで統合して店舗・外商へと横断的に繋げ、LTVを高めていくという設計になっている。
「スタート当初は商材が2万SKU程度しかなかったのですが、2021年11月の中期経営計画で『100万会員・100万SKU』をKPIに掲げ、そこに向かって様々な取り組みを進めてきました。商品数は2年前倒しで100万を達成し、現在は約170万SKU。会員数も2026年3月に100万会員を達成しました。」
シモジマ社のEC事業には、「広げる」「繋げる」「固める」という3つの戦略軸がある。広告やSEOによる集客で新規会員を「広げ」、CDP・CRMを活用してお客様との関係性を「繋げ」、そして大規模化したサイトを安定稼働させるインフラ・バックエンド業務を「固める」。この3つの取り組みが、同社のEC事業拡大を支えている。
――商品数・会員数の拡大とともに顕在化した「決済での躓き」
事業の拡大に伴い、シモジマ社のカスタマーサポート窓口には1日あたり数千件規模の問い合わせが寄せられるようになっていた。その中で年々存在感を増していたのが、クレジットカード決済に関連する問い合わせだった。
「オンラインショップの規模が拡大するにつれ、カード決済での躓きに関する問い合わせが日に日に増えていることを強く認識するようになりました。カート投入まで進んでいるお客様は、購入意思のある方です。決済がうまくいかないことで諦めて離脱してしまう、いわゆるカゴ落ち件数が増えている状況でした。」

特に大きなきっかけとなったのが、経済産業省のガイドラインに基づく3-Dセキュア(本人認証)の原則必須化だった。3-Dセキュアそのものへの理解が進んでいないお客様も多く、「カード決済が通らない=ECサイト側の不具合」と受け取られてしまうケースも頻発。さらに、3-Dセキュアによる本人認証に成功した方でも決済手続きの失敗が存在しており、問い合わせ内容は段階的・複合的に膨らんでいた。
「2025年10月時点では、1日数千件の問い合わせのうち約1割がカード決済関連の問い合わせという状況になっていました。本来であれば、商材に関するご質問にしっかりお応えして売上に繋げていきたい。しかし決済まわりの対応にリソースを取られ、さらには取りきれずに”待ち呼”となってしまう問い合わせも発生していました。」
リアル店舗に例えるなら、本来接客に割きたい時間をレジのトラブル対応に費やしてしまっている状態。顧客体験と売上、そして現場オペレーションの三方に影響を及ぼす深刻な課題だった。
――「後ろにアクルがいる」という安心感。決済コンバージョン最適化サービスの導入へ
課題解決に向けた検討にあたり、シモジマ社はサービスを比較検討。展示会や業界イベントでの情報収集を重ね、決済代行会社からの紹介もあって、最終的にアクルのサービスを導入いただいた。
「決済代行会社の担当の方からアクルさんのお名前を頻繁に伺っており、代表の方も業界の登壇で多くお見かけしていたので、安心感がありました。加えて、価格面・機能面も含めて、弊社のニーズに一番マッチしたのがアクルさんのサービスでした。」
2025年12月より、決済時のコンバージョンを高めるサービスを本格導入。不正検知サービス「ASUKA」や3-Dセキュア対応サービスとも連携しながら、カード決済時の離脱を防ぐための仕組みを整えていった。
――導入から3ヶ月で、決済関連の問い合わせ比率が約1.8ポイント減少
サービス導入から約3ヶ月が経過した2026年3月時点、カード決済まわりの問い合わせ比率は全体の約6.2%まで低下。導入前の約8%から約1.8ポイントの削減を実現した。
「問い合わせ件数に換算すると、1日あたり数十件規模の削減に相当します。ここには今回のサービスが直接影響しない領域の問い合わせも含まれていますので、決済のつまずき自体はさらに大きく減少していると実感しています。」

また、同社ではサービス導入以前、決済のコンバージョンレートそのものを定量的に追えていなかったという。
「クレジットカードの売上金額は追っていましたが、お客様がどの段階で離脱しているかまでは見えていませんでした。アクルさんの仕組みを入れて、初めてそこが可視化された形です。」
EC事業が好調を維持できている背景には、こうした「見えなかった離脱の解消」による積み上げ効果もあると同社は捉えている。
――購入意思のあるお客様を取りこぼさないために
シモジマ社のEC事業は、広告・SEOでの集客、商品数の拡大、CRMによるLTV向上など、事業のあらゆるフェーズに投資を続けている。その努力の最終地点にあるのが「決済」だ。
「お客様がカートに入れて、決済に進まれているということは、購入の意思決定をすでにされているということです。そこでのつまづきを少なくしていくことは、EC事業において極めて重要なポイントだと考えています。」
集客と同じだけ、決済の最適化に投資する──そうした姿勢が、EC事業の持続的な成長を支えている。

――国内EC事業のさらなる深化と、海外への挑戦
シモジマ社は、商品数と会員数をさらに拡大させながら、顧客との関係性を深化させていく方針を掲げている。ECサイトで来訪したお客様が、商品を探しやすく、ストレスなく決済まで辿り着き、満足して購入できる仕組みを、今後も強化していく予定だ。
さらに、国内での事業拡大にとどまらず、海外への販路拡大にも積極的に取り組んでいる。全国の仕入先から預かる包装資材や店舗資材を、日本だけでなく海外にも届けるプラットフォームとして、同社は新たなステージへと歩みを進めている。
「弊社のEC事業は、商品数の拡大、新規会員獲得、LTVの向上を軸に据えつつ、ご来訪いただいたお客様にいかにスムーズにお買い物いただけるか、そしてストレスなく決済まで完了できるか、という購入体験の磨き込みを続けていきます。また、販売チャネルとしては海外展開にも本格的にチャレンジしていきたいと考えています。」
アクルは、シモジマ社のさらなる事業成長と、包装・店舗資材分野における日本から世界へのチャレンジを、決済領域のパートナーとして引き続き支援してまいります。